過去② 正社員になる

このままじゃダメだと思い、夜勤のバイト終わりにフラフラしながらコンビニでタウンワークのフリーペーパーを手に取った。今日は絶対にどこかに応募すると決めて家に帰った。当時の俺は、バイトと正社員の間には巨大な壁があると思い込んでいて、「俺にできる仕事なのか？」が最初に頭に浮かぶ条件だった。24歳で一度も正社員になったことがない自分に、まともな会社員なんて務まるわけがないと思い込んでいた。

それで選んだ候補は、工場、清掃、警備、介護、小売、外食、ビルメンなど、正直「底辺労働」と言われがちな職種ばかりだった。大卒がつくような仕事じゃないって思われるかもしれないけど、当時の俺にとっては「正社員になれればどこでもいい」とさえ思っていた。運転免許は持ってたけど、教習所以来ハンドルを握っていないペーパードライバーだったから、普通免許が必要な求人は全部除外。小売や外食は長時間労働のイメージが強くて、なるべく避けたかった。ビルメンは2chで「楽」「正社員になりやすい」とか書かれていて良さそうに見えたけど、地方都市だからそもそもビルが少なくて候補から外すしかなかった。

結局、24歳の俺が選んだのは「介護」だった。未経験OKで資格も会社負担で取らせてくれるという求人に、思い切って電話してみた。「すぐに面接したい」と言われて、2～3日後に面接が決まった。面接自体は和やかで、先方から「すぐにでも来てほしい」と言われた。「いつから働ける？」と聞かれて、「すぐにでも働きたいです」と答えると、じゃあ明後日から来てくれってことになった。

こうして、応募してから一週間も経たずに、なんと正社員としての就職が決まった。あっという間の展開で不安も強かったが、とりあえず「人生、次のステージに進む」って感じだった。

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